出張は旅である以上、美宿と美食が欠かせない。
ザ・マニラホテルは紛れもなく美宿である。1912年開業、由緒ある老舗ホテルとして、グレード的に及ばないものの、香港のペニンシュラに相当する。
昨今、マニラには数多くの高級ホテルができたが、そのほとんどがマカティに位置する。ザ・マニラホテルははずれのベイエリアにある分、移動に時間がかかり便利とはいえない。
ただ、100年以上の歴史は摩滅することなく、いや漂うその貫禄にはやはり圧倒される。一度は泊まる価値がある。美宿の名に恥じない貫禄を十分に味わえるはずだ。
さて、美食の部では、フィリピンが負うハンディは大きい。シンガポールやマレーシア、ベトナム、タイと比べれば遜色は否めない。ただ、美味しい料理もある。その1つは、クリスピーパタ(Crispy Pata)。
豚のすね肉を原型のまま茹で、そしてカリカリになるまで揚げる。パリッとした皮にジューシーで柔らかい肉、ガーリックライスと一緒に食べると、それが本当に旨いのだ。ただ、下手にすると心臓発作や痛風を引き起こしてもおかしくない一品であるため、要注意。
肉料理のあとの一服はやはり葉巻に限る。フィリピンは葉巻産出国であって、葉巻の歴史は、スペイン統治時代の400年前にさかのぼる。キューバ産ほどのプレミアムはないものの、値段の割りになかなか悪くない。
2泊のマニラ出張。美宿と美食を十分に堪能し、12月1日午後の全日空便でフィリピンを後にし、羽田へ向かう。