バリアフリー部屋に泊まる、弱者救済の経済的側面を考える

 7月10日(火)、午前は都内出張。午後は移動。所用で神奈川県の茅ヶ崎に1泊するため、レンタカーを70キロ弱走らせる。

 15時に茅ヶ崎に到着。駅前の東横インにチェックイン。特に事前に何もリクエストしていないのに(もちろんリクエストできる立場にもない)、なぜか身体障害者用の広めの部屋を用意してくれた。

 要するに通常のスタンダードルームの2部屋分の広さである。バストイレは別々で完全にバリアフリー仕様。障碍者でなくとも非常に使いやすい。

 弱者を助けるために、社会は余分なコストをたくさん負担していることを実感させられる瞬間でもある。

 身体障害者という可視的な弱者であれば、まだしも比較的簡単に確認できるが、そうでない場合、たとえば経済的弱者の場合、救済する以前にまずはその非可視性を乗り越えなければならない。果たして本当に働く意思があるにもかかわらず働けないものかどうかという確認作業である。

 その確認作業にもコストがかかるわけだ。「弱者救済」を声高に唱えるのは簡単だが、道義的側面の裏側に経済的側面も存在していることを忘れるべきではない。

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