「問題解決」と「問題解決の方法」、コンサルタントの仕事とは?

 先日、顧客企業と打ち合わせの休憩時間に、雑談していた。そのテーマは、「コンサルタントの仕事とは、何か」だ。

 「顧客のために、問題を解決する」

 これは正しいのだろうか。いろんなコンサル会社のウェブサイトを見ても、「問題解決」を掲げるところが多い。これは、間違いではない。顧客企業のために、問題を解決していくのが、間違いなくコンサルタントの仕事だ。でも、どこか欠けている。

 「顧客に問題解決の方法を教える」。あるいは、「顧客自身が問題を解決できるようにする」。実は、これが私の目指していたところだ。

 「顧客が自分で問題解決できたら、コンサルタントは飯の種がなくなるのでは」と、その顧客が笑った。では、コンサルタントが自分の飯の種を残すために、顧客企業に問題解決の方法を教えなくてもいいのか。

 コンサルティング現場では、問題解決を求めてくる顧客が多い。その流れで、問題解決の道筋をつけていくのがごく自然で、違和感がない。けれど、それだけでいいのか。いろんな顧客企業の現場で同様あるいは類似の問題に直面するケースが多い。すると、その問題発生のメカニズムを知るようになる。それを知りながら、顧客に教えないことは、正当なのだろうか。

 コンサルタントとして、問題解決にとどまっても、少なくとも職業倫理上の問題にはならないだろう。けれど、そこから一歩二歩と先へ進むべきではないだろうか。

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