マレーシア航空は本当に狙われているのか?

 「立花さん、マレーシア航空はもう使わない方がいい」。周りから好意のメッセージを多数いただいている。皆さんのご好意には大変、大変感謝する。といいつつも、私は引き続き、マレーシア航空を利用する。

 わずか数か月の間、立て続けにマレーシア航空機が2機墜落した(MH370とMH17)。狙われているのではないかと、簡単に連想しがちだが、果たしてそうなのか。

 仮説を立てる。もし、狙われたとすれば、必ず利益または何らかの訴求が絡んでいる。政治的利益、経済的に利益、2機のマレーシア航空機の墜落で誰が利益を手にするのだろうか。よく考えると、少なくとも現状の情報では、誰もが利益を手にする人がいない。

 まず、マレーシア航空潰し、商業競争上のライバル社の陰謀。これはあまり考えられない。しかも、マレーシア航空は国有株が7割も占めている。破綻後の再建や民営化で確実に利益を手に入れるといっても、可能性があまり見えていない。さらにいうと、ウクライナやロシアのミサイルを動員するほどの大がかりのことが果たしてできるのだろうか。

 次に、政治的利益。民間機を撃ち落として、どう考えても政治的リスクがはるかに利益を上回ってしまう。宗教的訴求といっても、原理主義者ならイスラム教国家のマレーシア航空が狙われるとは思えない。まして名乗る組織も一向に現れない(前回のMH370事件)。

 現段階の情報に基づいて、私は2件のマレーシア航空機事件の関連性が見いだせず、ただ偶発的な事件であると判断する。

 「マレーシア航空は危ないから、やめた方がいい」という一般的な世論もあるだろうが、私は自分の判断に基づいて、引き続きマレーシア航空を利用する。

 そして、頑張れ!マレーシア。