新型コロナ危機、世界の異端児日本は自己保存欲動喪失か?

 航空会社の中国線運休・減便、中国滞在暦者の入国禁止、政府による中国渡航禁止勧告……。各国の「中国遮断」が相次いでいる。中国の「鎖国」は着々と進んでいる。

 そこで反動的に諸外国から締め出された中国人訪問者が本土から最短距離にある隣国、日本へ向かう。そういうことにならない保証はどこにもない。いやむしろ、その可能性は高いだろう。

 無防備な日本は多大かつ深甚な危険に晒されている。米国務省は1月30日、中国全土への渡航情報を4段階のうち最も危険であることを示すレベル4(赤色)「渡航禁止」勧告を出したのに、日本政府はようやく中国全土向けに不要不急の渡航自粛を呼びかけるレベル2に引き上げるだけだった。この2段階もの格差は、日米間、日本と世界一般のリスク意識と行動力の格差を浮き彫りにした。

 国だけではない。企業も機械的に国の姿勢に従って鈍感のままだ。春節休暇の終了とともに、任地の中国へ戻る日本人駐在員も散見される。危険極まりない行動である。社員に対する安全配慮義務を問われた場合でも、企業は単に国の方針に従っていたといえば免責になる。結局のところ、社員個人にツケが回ってくる。

 自分の身は自分で守る。動物のもっとも基礎的本能、自己保存欲動でさえ、日本人はこれを失ったのだろうか?

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