ベーシックインカム、日本に避けては通れない道

 私は、ベーシックインカム論には賛同している。

 竹中平蔵氏が提案する「月7万円」のベーシックインカム論に反対する声が多い。竹中氏という人物に対する好嫌を別として、単純に制度論を語りたい。日本人の悪いところは、すぐにヒト(Who)をみてモノ(What)を語ることだ。

 ベーシックインカムは良い制度ではない。できることなら、避けたい。しかし、日本が向かう方向、その先をみていると、ベーシックインカム以外にほぼ選択肢がない。なぜといったら、その議論は本1冊以上に及ぶので、ここでは詳しく踏み込まないことにする。

 平たく言えば、今日本は企業内失業率を折り込むと、実質的失業率は軽く20%を超える。いや30%かもしれない。労働生産性の極限を目指せば、それくらいのリストラが必要ということだ。

 コロナも相まって、企業が早く限界を迎えるだろう。来年からの数年間、日本国内のキーワードはずばり、「リストラ」。それ以外は考えられない。

 日本が意図的にITの立ち遅れを甘受しているのは、雇用の維持にほかならない。ただこれ以上、AIを遅らせれば、日本は全体的に途上国に転落する。AIが第2のGHQになれば、雇用制度自体が崩壊する。そこで、ベーシックインカムがなければ、多くの日本人が餓死する

 そんな状況だ。1人あたり月7万円、働けない人はほぼ強制的に地方移住。強制的地方創生になれば、いいことだ。役所を潰す。公務員は8割くらい解雇だろう。

 7万円をもらえば、公的年金も医療保険もない。民間保険や組合には新たな使命が付与される。無論、生活保護も終了。国に泣きつくも無駄。すべては自己責任でやりくりする。

 それが将来像ではないかと思う。反論はいろいろあろうが、不要だ。そうならないから、大丈夫だと自分に言い聞かせるのがそれぞれのご自由。

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