会社を辞めて幸せになりますか?

 「私、昨日会社辞めました」

 あ~、くるべきときが来たなぁと・・・ 会社を辞めたのは、以前ロイター香港時代の後輩で、このエクスプロアでもいまブロガー仲間になっている木津英隆さん。これまで、辞意を打ち明けてくれたことはありましたが、正式通知を受けていず、ブログで知りました。( 2009年06月19日【ご報告】新たな旅立ち、 2009年06月20日独立宣言か?)

 私自身も会社を辞めた人間です。よく、聞かれることは一つ、「立花さん、あなた、よくも会社を辞めて独立しましたね、成功の秘訣は?」

 「逃げ道を断つことです」

 私は考えもせずに答えます。私は、成功したかどうかわかりませんが、かろうじて食いつないでいます。会社は100%所有し、無借金経営(銀行はこんな零細企業には貸してくれない)、どこの大企業からの援助や出資も受けないので、特定企業の目線を気にすることなく、ずけずけとものをいい、伸び伸びと仕事ができるのです。

 ですから、私は、成功よりも、「幸福」を手に入れたのです。私の価値観では、「幸福」が最大な成功です。

 その経緯は、ブログの「私がこうして会社を辞めました」連載に書いていますが、独立に当たっては、紛れもなく逃げ道をすべて断ったのでした。いや、訂正です、精確にいうと、3本の逃げ道があるとすれば、その中の2本は断たれて、最後の1本を自分で断ったのでした。

 人間は、生存欲と生命力がある限り、簡単にくたばりません。逃げ道を断っておけば、背水の陣を敷きます。逃げ道が残っていれば、ちらちらと振り向いたりしますよね。それじゃ、スピードが落ちますし、どこかで逃げ道に方向転換したりします。

 浮気心を持たない。逃げ道をすべて断つ。これは、私の流儀です。それに、独立してやろうとしている仕事は本当に自分の好きな仕事で、それでお客様に付加価値を出せることが必要条件です。

 このような条件がそろったら、最後に、もう一回、自分に問いかけます、「独立は、本当に幸せですか?」、サラリーマンでも経営者でも、「幸福」の総量は不変です(神様は公平です)。簡単にいうと、「安定」や「自由」・・・あなたにとって、どれが幸福なのかで、コースの選択だけなのです。