「外商投資審査認可業務の更なる改善に関する通知」、審査認可権限の委譲に関する諸規定の公布

 商務部は3月5日付で「外商投資審査認可業務の更なる改善に関する通知」(商資函[2009]7号、以下、「本通知」という)を公布した。

 本通知は、外商投資企業の免税輸入設備について税関監督管理の事前解除に対する商務部の認可を不要とした。また、一定条件下での外商投資企業の設立や変更手続に係る審査認可権限を商務部から地方レベルの商務主管部門に委譲するものとした。本通知の公表後に、外商投資性公司や外商投資ベンチャーキャピタル、ベンチャーマネジメント企業の設立と変更事項に係る審査認可権限の委譲に関する通知も相次いで公布した。上記一連の規定が相次いで公布された背景として、手続の簡素化・効率化を図ることで外資導入の再活発化を図りたいとの政府の意向を反映している。本通知の主要内容は以下の通りである。

<輸入設備の監督管理解除申請の取り消し>

 外商投資企業の免税輸入設備について、税関監督管理の事前解除に関する審査・認可を取り消す。

<外商投資企業の設立と変更に関わる審査・認可について>

① 奨励類該当業種の新規設立および変更事項
 従来、商務部の審査認可権限内にある奨励類に該当し、更に国家による総合バランスを要しない外商投資企業(株式会社を含む)の設立、または増資、契約書、定款等の変更事項は、全て、省、自治区、直轄市、計画単列市、新疆生産建設兵団、副省級都市、並びに国家経済技術開発区が審査・認可を行う。
     
② 中国国外での分支機構設立
 外商投資企業が中国国外に分支機構を設立する場合には、企業登録地の省級商務主管部門或いは省人民政府が授権した地市級商務主管部門が審査・認可を行い、設立国家の中国大使館(領事館)の書面による同意も得なければならない。

③ 中国国内での分公司設立
 外商投資企業の中国国内における分公司の設立は、(特別な規定により審査・認可を必要とする場合を除外)審査・認可制から届出管理制に変更する。企業は分公司登録地の地方商務主管部門において直接届出手続を行うことができる。
      
④ 商務部が設立を認可した外商投資企業の変更事項
 商務部の認可を受けて設立した外商投資企業の変更事項(国家発展改革委員会が認可した限度額を超える増資、中国側投資者から外国側投資者への支配権の移転を除く)は全て、地方商務主管部門が審査・認可を行う。

<外国投資者および外商投資企業による国内企業の合併買収の審査・認可について>

 外国投資者および外商投資企業が国内企業の合併買収を行う場合、奨励類又は許可類に該当し買収価額が1 億米ドル以下、あるいは制限類に該当し買収価額が5,000万米ドル以下であれば、地方商務主管部門が工商、税務、外貨等の部門と共に関連する法律法規に基づき審査・認可を行う。但し、合併買収の対象となる国内企業が以下に該当する場合には別途手続を要する。

 1. 上場企業の場合、中国証券監督管理委員会の承認を必要とする。
 2. 国有企業又は取引に国有資産が含まれる場合、国有資産管理部門の承認を必要とする。
 3. 独占禁止審査に該当する場合、関連法律法規に基づき処理する。

 なお、本通知の公表以前に既に商務部が省級商務主管部門へ権限委譲している審査認可管理事項について、本通知の公表日以降、副省級都市の商務主管部門および国家経済技術開発区にも同等の審査認可管理権限を付与する。