「脱中国」とは?日本人よ大人になれ!

 いろんな世論調査をみると、中国嫌いとする日本人は常に、8~9割で安定推移している。しかし、脱中国となると、なぜかそれほど積極的でなくなってしまう。

 経団連をはじめとする財界はその親中ぶりでよく矢面に立たされる。大企業は中国ビジネスで大きな利益を上げているから、なかなか対中依存から抜け出せない。という説には一理ある。いわゆる財界と民間を切り離して考えるなら、そうなるのだが、しかし果たして切り離せるのだろうか。

 私の知っている大企業勤めで、中国嫌いという日本人は、1人や2人だけではない。一方、その所属企業は中国で商売をし、利益を上げている。その人たちが社員として実際にもらっている給料のなかにも、中国事業の利益分が当然入っているわけだ。では、彼・彼女たちはそのお金を嫌っているかというと、そういうことはない。

 仕事、つまりは経済は経済、政治は政治と割り切っているからだ。なるほど、それは昔よくいわれていた対中関係の「政冷経熱」もまさにその話で、いささか納得する。

 では、大企業以外の人はどうだろう。中小企業の場合、大企業の下請けになっていれば、間接的に中国との関係ができてしまうので、完全に無関係とはいえない。やはり中国で潤っている部分がある。サービス業となると、特にインバウンド(コロナで一時的に下火になっているが)で生計を立てている人たちは、大口客の中国人を断るわけにはいかない。

 そうだ。定年退職者なら、中国と無関係といえるだろう。いや、そうではない。日常生活のなかに「Made in China」だったり、中国サプライチェーンにかかわる財やサービスがいくらでもあって、愛国心や嫌中心からチャイナ・ボイコットしようとも、そう簡単にいかないのだ。

 簡単にいうと、脱中国で産業回帰しよう。「Made in China」から「Made in Japan」に切り替えたところで、多くの日本人は工場の製造ラインに入り、ブルーカラーとして働いたり、あるいは食料自給ということで、農村に移住し、スーツやハイヒールを脱ぎ捨て、田んぼに入って畑仕事に精を出したりしなければならない。それが現実的に可能だろうか。

 アメリカでは、トランプ前大統領は「仕事を中国から米国に取り戻す」といっていたが、その仕事とは、要するに農業や製造業の仕事であって、決してオフィスワークではない。日本も然り。

 仮に産業構造の変革が見事に成し遂げられたとしても、国内製造・生産による物価上昇を全国民が受け入れなければならない。それはまず年金受給者の生活を直撃する。脱中国とは、口先だけではない。実損、痛みが伴うのだ。それはほぼ例外なく全日本国民に影響が及ぶ。日本人は心の準備ができているのだろうか。

 決して、日本人よ、中国好きになれといっているわけではない。大人になれといっているのだ。時代が変わろうしている。中国との付き合い方も変わろうとしている。日本人自身も変わらなければならない。

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