立花聡のコンサル業務、弁護士から顧客を奪う!

 仕事が忙しさを増している。

 最近、顧問弁護士契約を打ち切り、当社の顧問契約に切り替える会社が増えている。中国の顧問弁護士料金をいうと、びっくりするほどピンきりだ。上は天井なしだが、下のほうは、月額200元や300元、えっといわせるような料金相場だ。競争が激しい世界だ。飯を食えない弁護士もいっぱいいる。

 日系企業は、1000元~の月額で契約しているケースが多い。通常は、何もサービスがなく、相談があれば乗るという感じだ。いままで一度も顧問弁護士と話をしたことのない会社もいる。利用率が低くて、とりあえず1000元くらい払っておけば安心だというのが多いようだ。よく考えると、1か月1000元でも、1年に1万2000元、1年に1度か2度くらいの相談なら、1回につき5000元以上も出すことになる。だったら、有名な先生でもスポット相談できる価格だ。もったいない。

 顧問契約とは、スポット的な相談よりも、顧客に恒常的に情報を提供し、会社の問題を発見し、解決していくところに意義がある。

 当社の基本顧問契約の月額は2000元、私の指名顧問だと、5000元~になる(時間数基準)。顧問先に、毎月2回、「中国法務・人事労務レポート」を送付している。レポートには、最新法令法規と政策の解説、実務運用方法、判例・事例、Q&Aなどが掲載されている(すべて日本語)。専門的で難解な法律の解説よりも、「だから、どうすればよいのか」、実務上の解決方法を提示するのが特色だ。

 そして、基本的に月1回のセミナーは、顧問企業なら無料で参加できる。当社のセミナーの参加費は、1200元だから、顧問会員のほうが断然割安になる。

 私の指名顧問契約だと、定期ブリーフィングも行う。顧客先のトップ経営陣、法務・コンプライアンス、人事・総務担当と、近況を確認し、問題発見・問題解決に取り組む。

 当初、エリス・コンサルティングに弁護士事務所の併設も検討したが、企業経営に詳しく、顧客に献身的な弁護士が見付からなかった(パートナーの人数が揃わない)ため、断念した。いまは、常駐弁護士、社外顧問・提携弁護士だけでも十分に間に合っている。

 コンサル企業を立ち上げるときに、中国事情に詳しい日本人に言われた。「弁護士や会計士の看板がなく、単純にコンサル一本では、中国で飯を食っていけない」。でも、何とかかろうじて食いつないで、今日に至った。

 顧客企業では、戦略を語っているのに、自社では、いままで、よく考えると、戦略らしき戦略があった覚えがない。とにかく、顧客のために、頑張る、頑張る、また頑張る、もしや、それも知らずに戦略になったのかな・・・

 明日も忙しい。広州の日帰り出張だ。