「性善説」と「性悪説」

 私の日常のコンサル業務にもっとも関心がもたれることは、「性善説」か「性悪説」である。

 人事労務管理にあたっては、二つ重要なことがある―「他律」と「自律」。「他律」では、私は「性悪説」派で、「自律」では「性善説」派である。

 まず、「他律」の「性悪説」に関して二つ理由がある。一つ、「労働契約法」自身が「性悪説」で、企業が労働者搾取の「悪」として捉えられる懸念がある以上、「性悪説」理念は当然欠かせない。もう一つ、「悪」を確実に取り締まる制度がなければ、「善」を守ることができない。

 次、「性悪説」をベースとした制度、つまり、「他律」が完備しても、労使間の不信感や猜疑心が消えない。そこで、モチベーション向上を奨励する「性善説」の出番になる。「自律」が出来上がった時点で、「他律」の運用も楽になる。

 だから、以下が、私の人事コンサルティングの理念である。

 ★「性善説」を守りたければ、まず「性悪説」を守れ!
 ★「自律」は「他律」なくしてあらず、「他律」は「自律」なくして効かず。

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