解雇と下剤、便秘と新陳代謝

 昨日一日、顧客から解雇の問い合わせ3件。

 私がエリス・コンサルティングをここ9年間経営してきて、雇用従業員は延べ数十名。業績不良や勤務態度不良で、辞めてもらいたい従業員は、数名いたが、会社から「解雇」を通告したのは、1名だけだった。あとは、すべて、ムードを感じての自発的な辞職だった。

 この人に辞めてもらいたいと思うとき、いつも、反省する――当初なぜこの人を採用したのか?私が、なぜ自分の手でこの人を育てることができなかったのか・・・

 会社にはもちろん色々問題があるだろうが、本人の資質に問題がある場面も多い。また、日系企業の場合、前任総経理とは相性が良かったが、後任総経理に合わないケースもある。色々な理由があって錯綜複雑だ。

 解雇はなるべくやりたくないが、やむをえないときは、必ず実行する。特に、「悪」の従業員のクビを切らないと、良い従業員に申し訳が立たない。一部の企業では、悪従業員に金を積んで辞めてもらうケースも散見されるが、テロリストに金を払って、人質を救出するには、せいぜい人命救助という大義名分があるだろうが、これは、もはや容認されるものではない。まじめに働く人よりも、「悪」の人間に金を与えることは、正義を殺すことだ。このお金は、紛れもなく「悪奨励金」だ。

 「悪」の従業員に、いかに、自発的に辞めてもらうか、「悪」がぬくぬくと生き延びられる風土をまず奪うことだ。

 解雇は、下剤だ。便秘の解消には、下剤が必要だが、下剤依存はダメだ。根本的に、栄養バランスを取って、新陳代謝機能を活発させ、毒の自然排出を実現するしかない。新陳代謝のメカニズムは、企業の制度や文化で作るものだ。

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