生理休暇をよこせ!労使闘争にならぬ中国教育の犠牲者

 今日午後、2時間半に渡って、江蘇省の某日系企業で、「就業規則」の従業員代表大会(意見収集)があって、私は顧問先のこの企業を代表して、従業員からの質問に回答する役を担当した。案の定、従業員の一方的な権利主張だった。

 「女性社員に、生理休暇を与えてください。労働法が決めていたことです」、ある若い女性従業員が立ち上がった。私が思わず赤面するくらいだった。

 えっ?労働法で生理休暇?中国には法定の生理休暇はないはずだ。一部の地方法規には、このような趣旨の条項がある――「女子従業員の生理期間中に、月経の量が多く、かつ痛みが激しく、業務の継続に耐えられない場合には、病院の証明をもって、休暇を一日取ることができる」

 つまり、正常な生理には休暇がない。異常な生理で、かつ医師の証明をもって、はじめて休むことができる。これは、「生理休暇」でも何でもない。要は「病気休暇」、病欠なのである。労働法は、生理休暇にまったく触れていない。

 もし、その女性従業員が以下のように、アプローチを変えたらどうだ。

 「生理痛で苦しんでいる女性従業員は、多数いるようです。病院にいって、症状を訴え、医師から証明書をもらってくれば、休むことができます。それがよく分かっていますが、現に女性として、生理でなかなか、病院に行きにくいところもあります。職場でとても辛い思いをしている女子従業員は、会社に何らかの形で少しでも配慮をしていただければ、とてもありがたいです。ご検討いただけませんか」

 そこまでいえば、逆に、総経理は、きっぱりと「No」と言えなくなるだろうし、また、われわれコンサルタントも、少しでも労働者に良い環境で働いてもらいたいので、会社側と調整する余地も出てくるだろう。

 あまりにも、強気で趣旨相違の法律まで持ち出して非難口調で主張すれば、当然一蹴されることになろう。法定基準は、会社が必ず守る。法定基準以上の福利は、会社が経営実態など諸般の事情を勘案し、決定する。これは、日本の「労働基準法」も同様だ。そこで、会社の判断や決定に、従業員が影響を与えることは決してできないわけではない。ただ、それは、強引や威嚇、けんか腰ではなく、誠意をもった対話でしか実現することができないだろう。

 昔、毛沢東が主導する革命では、労働者が毅然と立ち上がって資本家と戦うシーンがたくさんあった。その影響だとすれば、その従業員たちがとても不幸だと私が思う。

 中国の学校の教育、家庭の教育に多くの問題がある。「法治国家」や「礼儀道徳」、「権利義務」などの基本知識の教育があまりにも欠如していたのではないかと思う。結果的に、損するのが本人で、とても残念だ。

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