あなたの私生活は覗かれています!恐怖の無線LAN

 日曜日、自宅のパソコンのバージョンアップで、ITスタッフに家に来てもらった。

 「無線LANは、使っていませんか」と聞かれ、あまり使っていないと答えると、「じゃ、それを切っておきましょう」と勧められた。

28122_2無線LANの番犬もやってくれないかな・・・パソコンの前を陣取って眠そうな愛犬ゴン太君

 理由を聞くと、最近、無線LAN接続の悪用が多発しているとのことだ。無線LANが普及すると、どこの集合住宅も多数の住民が使用している。無線LANは、見通しの良い範囲なら100m程度接続可能なため、同一集合住宅の複数の無線LANをキャッチすることができる。中に、パスワード未設置の場合、そのまま他人の無線LANを使えてしまう。たとえ、パスワードが設置されていても、専門家に頼めば、簡単に侵入して、ログオンできるそうだ。

 要は、料金ゼロで、ただでネットを便乗使用できるわけだ。便乗だけならまだしも、悪用されると大変危険だ。パソコンの共有フォルダやメールのやり取りが盗み見られたり、写真が盗まれたり、ネット通販で入力したクレジットカード番号やパスワードなどが悪用されたりする・・・

 中国では、プライバシーの保護が疎かである。前にも書いたが、「個人情報流出」のようなプライバシー侵害は、民法上の不法行為として、被害者に実害が確認され、かつ加害者が特定できた場合のみ、責任を追及することができる。事実上、不可能に等しい。

 中国のプライバシー侵害の専門立法が遅れているし、国民の権利保障はどうしても後回しにする傾向がある。それに、法の実施が怪しいので、民間ではまず自己保護に徹するしかない。

 今日自宅に来てくれたIT専門家は、小さなIT企業を経営している。彼の話では、他人の無線LANに侵入する仕事の依頼も、よくある。もちろん、彼は断っているが、それだけ、犯罪が気軽に行われていることを知り、鳥肌が立った。