生煎饅頭ナイト

 本の執筆は、終盤に差し掛かっている。外出は、今週接客1件とセミナー参加1件だけで、あとは自宅に閉じこもって、1日1万~1万3千文字のベースで進んでいる。

 自宅にいると、食べ物も雑食になってしまう。アイさんの手料理から出前、鍋料理、ローソンのおでんまでと多彩である。今夜食したのは、生粋な上海っ子の食べ物、生煎饅頭(シェンチェンマントウ)。

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 自宅の近所に絶品の生煎饅頭の専門店がある。これは、旨い。皮が薄いこと、小籠包と変わらないほど薄い。上部に小さな口を開けて、ジュルッと熱い肉汁スープを吸い上げる。小籠包の場合、皮が破れると、スープがピュッと飛び出るので、ときどき焼けどする熱い汁で大失態を演出する。けれど、生煎饅頭の場合、小籠包より体が大きいので、皿に乗せて、ゆっくりと汁取り作戦ができる。場合によって、饅頭の中に、黒酢を数滴たらして味わうと、それはまさに絶品。

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 小籠包は高級料理で、ゼラチンを入れてスープを仕込んでいるが、生煎饅頭は庶民の食べ物で、一切そのような細工はしていない。中身のスープは、具材から自然に染み出る肉汁だ。肉汁スープの味わいに加え、焦げ目の香ばしさもまた素晴らしい。カリッとした食感と熱々の肉汁、なんとも言えない幸福感に包まれる。

 我を忘れるほど食の幸せに陶酔していると、何だか鋭い目線を感じる。あっ、こいつだ、愛犬のゴン太は生つばごっくんと、私を見つめているのではないか・・・

 因みに、お値段は饅頭1個に1元、油が使われているので、苦めのプーアル茶がベストマッチ!