耳の痛いことを何回まで言いますか?

 先日、某弁護士A氏と次のような会話があった。

 立花 「顧客に、ある提案をします。この提案でいけば、リスクは低減できます。しかし、いろんな理由があって、顧客は渋っている。そういうときは、コンサルタントとして押し続けると、顧客の気分を損なうこともあります。主張をやめるべきでしょうかね」

 A弁護士 「あははっ、立花さんってそんなことで迷っているの?それは、言わなきゃいいんじゃないですか。私は一回言うだけで、顧客が聞かなければ、二度と言いません。好きな様にさせておけばいいじゃない。お互い気分がいい」

 立花 「リスクがあって、遅かれ早かれ問題を起こしますよ。それでも言わないんですか」

 A弁護士 「言うのがこっちの義務、聞くのが客の権利、こっちは義務を履行して、あとは顧客が権利をどう行使するかはさぞかし干渉できないでしょう」

 さすが弁護士、すぐに「権利」と「義務」に着眼する。

 立花 「でも、いずれ問題になると分かりきっていて・・・」

 A弁護士 「問題になったら、『ほら、この前、私が言っただろう、あなたは聞かないから、問題になったろう』と、問題解決してあげれば良いんじゃないですか」

 立花 「なるほど、新たな商売になるわけですね」

 A弁護士 「私の場合、一回だけは忠告しますが、問題になるだろうと知っていて何も言わない弁護士やコンサルタントもいますよ。それは『悪徳弁護士』。で、問題になることさえ予見できない弁護士もいます。それは『アホ弁護士』です」

 とても、勉強になった。A弁護士は世俗的といえばそこまでだが、現実的に、正しい部分も確かにある。これからは、私はリスク告知は3回までとすることに決めた。