仕事の依頼への辞退は頻発するようになった。
最近、とても苦悩していることだ。顧客から電話が入って、いつ回答してもらえるかということで、「すみませんが、順番待ちです」というと、「じゃ、何時になるのですか」、「2~3日待ってください」と答えると、大変心苦しく感じる。
小さな質問でも、数十と溜まったら大変な作業になる。私も、弁護士も手一杯でどうにもならない。進行中の案件はいくつも併行して抱え込んでいる。それに、人事制度構築や中堅幹部育成など年単位の大型案件の依頼、問い合わせが複数来ている。
心の中に矛盾していないといったら嘘になる。仕事はいくらでもほしい。ただ、無節操な受注で、いずれ品質低下につながることは目に見えている。
人間を増やせばいいかというと、そうではない。この業界では人間がすべてだ。短期では人材が育たない。というよりも、育てる時間がない。頭数だけ増やせば、問題を引き起こすのみだ。
3月1日、北京支店のオープンを控え、今後の体制をどうするか・・・私自身の仕事の時間を増やせば、2割ほど受注を増やせるが、体を壊したくない。それよりも、コンサルタントは、アイディアで勝負する職人だ。アイディアは、疲れ切った人間から生まれてこない。余裕を持ちたい、そこから生まれるひらめきで顧客に価値を提供する。
当座の結論は、一つしかない。仕事総量制限の継続だ。エリス・コンサルティングは、いつまでも、小さな靴屋であり続ける。量産もしなければ量販もしない。もちろん、「百貨店」には絶対にならない。
コンサルタントは、商人になってはならない。職人だ。