「無色の真実」に命を捧げる、ロイターの仲間の死を悼む

 私の前職、ロイター通信社(日本)のジャーナリスト村本博之さんがバンコクで10日、治安部隊と反政府デモ隊の衝突の取材中に被弾して亡くなられた。

 本日、村本さんの葬儀・告別式が、東京都港区の青山葬儀所で営まれ、友人や仕事仲間らが最後の別れを告げた。ロイターOB会から通知を受けながらも、海外にいる身で参列できなかったことを残念に思う。

36101_2村本さんに最後の別れ(ロイター写真)

 ロイターを辞めて10年になるが、この会社と結ぶ心の絆は一刻も断ち切られることはなかった。仲間を失う悲しみと無念さ、言葉で表すことができない。

 ロイターが教えてくれたのは、「無色の真実」を伝えるジャーナリズムのあり方である。「無色の真実」とは、ジャーナリストの個人的な感情や利害関係を完全に切り離した、また読者や視聴者にも迎合しない、純粋たる真実の報道というあり方である。村本さんは一度しかない自分の命まで捧げ、「無色の真実」を求め続ける世界最高のプロフェッショナルだった。

 この「無色の真実」を求める理念は、私のコンサルタントの生涯に生きているのである。客観的な事実をいつまでも冷静に見つめ、顧客に媚びることなく、適正な情報、助言を提供するという愚直な姿勢に徹する。ジャーナリストも、コンサルタントも商人であってはならない。職人である。

 村本さんのご冥福をお祈りいたします。