痛みを鎮めることと痛みを作ること

 先日、ある顧客(といっても友人に近い関係)と雑談したら、こう言われた。

 「立花さん、何で労働法やら人事やらやるんですか。人間のことだから一番大変でしょう。何がいい人事制度ですか。トラブルがなくて平和だったら、それが一番いい制度なんでしょう。じゃ、トラブルがあまり起きない制度を作ったコンサルタント、と、ストライキを無事終結させたコンサルタント、どっちがいいコンサルタント?私は、前者だと思いますが、おそらく大方、感謝されるのが後者なんじゃないんですか・・・」
 
 私は数日、ずっと考え込んでいた。得た結論は、マーケティング学のセグメンテーション原理に従って、顧客企業の姿勢と価値観で分別対応することで、自分なりに納得した。決して中途半端の中間路線をとらずに、異なる商品とサービススタンスで対応すると。

 「病から生まれる痛みを鎮める」ことも、「病にならないために痛みを作る」ことも、どちらもコンサルタントの仕事である。