● 周庭氏の亡命
12月4日付けのニュース。日本でも知られている香港の女性民主活動家周庭氏がおよそ2年ぶりにSNSに投稿し、現在はカナダに滞在していて、香港には戻らないと決めたと明らかにした。彼女は3年前、抗議活動に関連して実刑判決を受けて刑務所に収容されたが、定期的に警察に出頭することを条件に、釈放されカナダへ渡航した。しかし、彼女は「香港の情勢や自分自身の身の安全、心身の健康状態などを考慮した結果、香港には戻らないと決めた。おそらく一生戻ることはないだろう」と述べ、事実上の亡命に踏み切った。
この件は、彼女は結局自分の利益を優先した。中国の描いたシナリオ通りではないかと。香港警察は4日朝「公然と法律に反する無責任な行為を厳しく非難する」とするコメントを出した。結果的に「中国では亡命の自由まで確保されている」「保釈や渡航を認め、カナダへ行かせたのに、裏切られた」ということで、今後同様案件にはより厳しく対処する口実ができたのだ。
そして、亡命というのは、決してすべてが正義の物語と言い難い。天安門事件の亡命者たちをみても、後日、ならず者が多いことで証明された。彼女は例外的に正義のヒロインになるかどうか、歴史が証明するだろう。私は楽観視していない。

● イスラエルの論理
『「イスラエルの論理」を徹底解説~たとえ世界を敵に回しても戦う理由とは?【豊島晋作のテレ東ワールドポリティクス】』(2023年11月30日)――豊島晋作氏のシリーズは、低レベルの日本語メディアのなかでも秀逸な番組と言える。ただ、基本的に「帰納的手法」で歴史的断片と現状を並べ、結論を導き出している。一歩踏み込んで「演繹的手法」で本質を抉り出すとなると、少々欠けているように思える。
「やられる前に、やる」というのは、イスラエル国家・民族の論理ではあるが、必ずしもイスラエルの支配者層の論理に完全一致しているわけではない。その食い違いの部分から、戦争の本質を抽出すると、一気に違う世界が見えてくる。「やられる前に、やる」というが、正しい「やり方」とは?さじ加減は?やり過ぎると逆にやられるリスクは?いずれもイスラエルの統治者が避けている。ネタニヤフにとってもはや、戦争の継続イコール政権の維持・継続になっている。ゼレンスキーもまた然り。
● 米国の論理
米国の論理:
1. 俺に従わない奴は、敵だ。
2. 俺を超える奴も、敵だ。
3. 俺の敵ではない奴は、飼い犬だ。
4. 犬は俺のために働き、尽くし、死ぬもので、俺は犬のために損するものではない。
● ウクライナへの援助
ゼレンスキーは、金銭・軍事的援助を訴えるためにワシントンを訪れた。バイデンからは冷たい返事――。米国によるウクライナ援助の前提は、「as long as you take」(ウクライナが戦う限り)から、「as long as we can」(我々のできるところまで)へと本質的に変わった。つまり、そろそろ援助の打ち切り。
負け戦は、当初から降伏することだ。と、私が言ってきた。早い段階で降伏すれば、領土も、人命も、金も、損失が少なく済む。もっと有利な交渉もできたはずだ。結局、利益を得たのは、アメリカの軍事産業、武器転売・闇市商人と腐敗政治家たちだけだ。中国もあることを学習した。アメリカは台湾を守ることはないと。
● 中国はNo.1
「善悪」という価値判断と「有無」という事実判断を混同してはいけない。中国は世界No.1になる、という事実を、中国が悪だという価値で無視する、忌避する、否認することは、非理性的だ。「あってはならないこと」は、すなわち「ないこと」にはならない。




