国益は死んだ、似非保守の本質を知る

● なぜ反中ですか?

 先日、反中という自称保守の人に聞いてみた。その対話を以下掲載する――。

 「なぜ反中ですか?」
 「中国共産党はマルクス主義だから」
 「マルクス主義は何ですか?」
 「マルクス主義はつまり共産主義」
 「中国は共産主義を目指しているのしょうか?」
 「それはどうでもいい。中国は他国を侵略するでしょうから」
 「中国はいつどこの国を侵略したのでしょうか?」
 「立花さん、あなたは反日のほうですね」
 「どうしてそう言えるのですか?」
 「あなたは中国で商売して中国の味方です」
 「中国で商売する日系企業はみんな反日ですか?」
 「似たようなものです」
 「ではこれらの日系企業をボイコットしたほうがいいですか?」
 「まあ、そういうことで、そうすべきですね」
 「では、あなたはボイコットしていますか?」
 「???」

 笑うに笑えない。要するに保守と自称する以上、保守の符号に脊髄反射しているだけの人だ。「マルクス主義」とは何か?「共産主義」とは何か?そうした基本概念を学んでいない。中国が掲げている「中国特色の社会主義」と「マルクス主義」の関係も理解していない。「中国の侵略」云々となれば、歴史の勉強ができていない証拠だ。

 あえて、侵略と言えば、アングロサクソンの歴史そのものが侵略史だった。アングロサクソン5か国(英・米・加・豪・NZ)はすべて略奪された土地ではないだろうか。土地略奪だけではない。先住民虐殺も文化抹殺もだ。

● 非愛国者の似非保守

 リベラルや保守、左右に関係なく、国益になるなら、どちらでも取り入れるべきだ。しかし残念ながら、こういう本物の愛国者は少なすぎる。

 米国の民主党も共和党もだんだん左右の区分が分からなくなってきた。イスラエル支持では完全一致している。それはユダヤ人がお金をくれるから、党益・個益になるからだ。個人ベースでは、どんなに激しい反中派の日本人でも、中国売り上げや中国のサプライチェーンに頼って生活している。なぜなら、個益があるからだ。

 イデオロギーは経済基盤の上に立脚する、下部構造が上部構造を規定するというマルクスの説は、全く正しい。経済がイデオロギーを規定する。だから、左右は符号、マーケティング的な符号に過ぎない。資本家や政治家が大衆から労働搾取や消費搾取、投票収奪するためのツールに過ぎない。

 民主主義国家では、国益という概念は、もう死んだ。国益を考えるのは、独裁、権威主義の支配者だけだ。シンガポールも中国もロシアも好例。

 左右とも、国益を語らない時代だ。リベラルはそもそも個人権利優先だから、国益軽視・無視当たり前。しかし、保守は違うだろう。それでも、国益を語らない。いや、語れない。国益とは何かという議論すらできない似非保守が集まっているから。似非保守は、頭が悪い。彼らは思考力がない、「安倍」「親米」「反中」といった符号に脊髄反射するだけの頓馬だ。

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