ポスト菅を睨んで、日本の政治はすでに変わった

 ポスト菅として、高市早苗氏を推す動きも出ているようだが、氏は確かに保守系に受けがいい。その反面、中間派が離れるリスクが生じる。そもそもの原点、LGBT法までやるなどで、自民党はリベラル層を取り込もうと手を広げ過ぎて、それ自体がトランスジェンダー的存在になってしまいそうだ。

 米国では民主党と共和党が元々のポジションを逆転させたのと同じ現象が日本でも起きるだろう(起きつつある)。自民党の左傾化。高市氏はいささか日本版トランプの面影がうっすら、本当にうっすらと漂っているが、ただ、たとえ首相になっても長く持たない。女性だからではない。

 今の日本社会では、真の保守よりも、転落や喪失で鬱積した憤懣(感情的暴民)が先走りしている。それがエセ保守を成している。つまり、保守はすでに分断、分裂している。それに対して経済的利益の下に集結している左派は相対的に一致団結し、強いパワーを見せている。

 結局、日本の米国化(ことにトランプの失敗)は早晩、避けられない。左右ではなく、エリートを中心とした既得権益層と非既得権益層が対峙する様相が鮮明になる。

 繰り返しいう。左右の問題ではない。

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