上海出張中に乗ったタクシーの運転手と雑談。運転手は、先日乗車した若い夫婦の話を教えてくれた――。
地方出身の夫婦は2017年頃に上海で不動産を500万元で購入。その当時、夫の月給は2万元、妻は1万6000元、残業代を入れると家庭収入は月4万元を超える。裕福まで行かなくとも、不動産ローンや子供の教育費を払って、週1回は家族揃って外食のできる生活を送っていた。
しかし、コロナを経て経済低迷期に入ると、夫はリストラに遭い、失業し、収入がゼロになる。妻は7000元にまで減給という条件を受け入れるか、数か月分の経済補償金を受け取ってリストラされるかの選択肢を会社から突き付けられ、家庭の事情を考え、減給を受け入れざるを得なかった。
7000元の収入では家計が成り立たないので、夫婦は家を売ることに決めた。ところが、不動産相場の急落を受け、500万元で買ったマンションは350万で売り出しても内覧すら来ない。不動産仲介業者は、280万元なら買い手を斡旋できると言ってくるが、話にならない。数年で100数十万元のローンを返済したが、内訳では100万元近くが金利だったという。
このまま家を手放せば、巨額の借金が残るだけでなく、新たに借りる賃貸住宅に家賃も発生する。どうしようもないから、夫がタクシー運転手になろうと運転手に根掘り葉掘り業界の状況を尋ねてきたわけだ。
<終わり>





