シングリッシュの世界の醍醐味、通じればそれでいい!

 最近、中国以外の国のビジネスパーソンとのコミュニケーションが増えると、英語を使う機会も増えた。

 「I am will delivery the documents to you on today’s afternoon 5:00」。

 えっ?マレーシアからやってきたメールも、この通り、英語間違いだらけ。進行形や未来形、動詞と名詞、時間の表現、めちゃくちゃだ。よく吟味すると、中国語の匂いがぷんぷんしているのではないか。でも、全然大丈夫だ。読んでも完全に意味が伝わるし、自分だって英語がネイティブではないので、逆にそのほうが気が楽だ。

 マレーシアの華人は、英語学校か中国語学校に通うことによって、言語のレベルがだいぶ違ってくる。クイーンズイングリッシュをきちんと操る華人もいれば、中国語流の英語をしゃべる人もいる。

 日本人は英語下手というが、むしろ文法の勉強しすぎだと思う。アナウンサーになるわけではないし、文法なんか関係ない。単語だけ並べれば通じるので、それでいい。これはサバイバル力だ。

 マレー半島の英語といえば、「シングリッシュ」。つまり、Singaporian(シンガポーリアン)+English(イングリッシュ)=Singlish(シングリッシュ)。マレーシアの華人もシングリッシュ風にしゃべる人が多い。

 シングリッシュの特徴その1、中国語の影響で、文の語尾に必ず強調語の「ラ」(中国語の「啦」)、疑問文なら「メイ」(中国語の「没」)を付ける。日本語でいう「~だよ」、「~か?」のようなニュアンス。

 シングリッシュの特徴その2、主語やbe動詞を省略する。

 シングリッシュの特徴その3、過去現在未来形の語尾変化がなく、現在形に統一されている。

 シングリッシュの特徴その4、単語と単語の間の空間をなくしたり、単語の最終子音を発音しなかったりする。たとえば、「ポップコーン」が「ポッコン」になる。

 シングリッシュの特徴その5、「Th」の発音が「T」と同じになる。「Thank you」(サンキュー)が「Tank you」(タンキュー)になる。

 シングリッシュの特徴その6、強調のために英単語も中国語と同じように繰り返す。たとえば、「Can Can」、「大丈夫」の連発。

 シングリッシュの特徴その7、英語の文法を完全無視する。

 例を挙げよう。

 シンガポール人A、「Long time no see you. You OK?」 (お久しぶり、元気?)
 シンガポール人B、「OK lah. You already eat lunch meh?Let’s go lunch lah」 (元気だよ。昼食べた?一緒に食べに行こうよ)
 シンガポール人A、「Not yet lah. But, Today office is busy lah. Next time go lah.」 (まだだけど、今日、会社忙しいから、次にしようよ)
 シンガポール人B、「Tomorrow lunch can?」 (じゃ、明日昼は大丈夫?)
 シンガポール人A、「Can, Can. See you tomorrow lah.」 (大丈夫、大丈夫、じゃ、また明日ね)

 ということで、日本人も、「ジャパ二ッシュ」を使いこなせばいい。