「心の距離」と「身の距離」、そして幸せを感じよう

 大晦日、上海の自宅で過ごすのは何年ぶりか。おそらく中国で最後の年越しになると思うと、少し寂しい。

 今年2012年、激変の1年だった。マレーシア移住やミャンマー事業の立ち上げなど、一連の意思決定がなされた。何よりも、9月から始まった「反日」運動が、私の中国に対する感情を根底から変えた。価値観は人それぞれだが、少なくとも私の場合、感情の亀裂が非常に大きく、中国との「心の距離」が一気にできたように思えてならない。

 もちろん、心やさしい中国人の仲間たちとの関係が変わっていないし、逆に「反日」で対話が深められ、連帯感が強まったと思うし、また物事を見る視野もさらに広がった。不幸な事件だったが、パラドックス的に有益転用ができたともいえるだろう。

 中国好き嫌いというのは、捉え方もいろいろあるだろうが、私はあえてこの国を離れて、中国関連の仕事をすることにしたのは、より多面的に中国を見つめられると、このような趣旨も込められている。だから、「心の距離」を感じたときに、「身の距離」を置くのである。

 いずれにしても、とても、幸せな1年だった。来年、人生や事業も大きな転換点を迎えるような気がしてわくわくしている。1年間、支えてくださった社員、妻、顧客そして関係者の皆様に心から感謝申し上げます。

 いや、忘れていけない、日々いつもふれあいの喜びを与え、激務の疲労から癒してくれた愛犬のゴン太とハチに、深く感謝したい。どうも、ありがとう。

 新しい1年、幸せを探しに行くのではなく、幸せを感じよう。小さな幸せは周りに転がっている。一つ一つ拾い上げて、大きな幸せを作ろう。皆さん、一緒に幸せになろう!2013年。