ヤンゴンで体験するミャンマーバブル

 当社と私個人が揃ってヤンゴンの日本人会・商工クラブに入会した。いま在緬日本企業(日本人会登録ベース)は70数社に数えるが、今年半ば頃におそらく3桁になるだろう。ヤンゴン在住日本人も今年年内に1000人を超えることは間違いない。

94006_2ヤンゴン日本人会に入会

 ミャンマーバブルというが、果たしてバブルか、いろんな見解がある。ある意味でたくさんの外資が殺到してこれがバブルといえるのかもしれない。具体的には不動産やホテル、オフィス相場の高騰などがそれにあたる。

 ただ、2点ほど注目すべきことがある。まず、90年代初頭、私が中国駐在を命ぜられ上海に赴任したとき、外国人用のマンションがやたら4000ドルや5000ドルと法外な相場で、しかも入居順番待ちと完全な売り手市場になっていた。それがいまミャンマーでは同じことになっている。需要が供給総量を大きく上回って、供給不足が表面化すると、当然ながら相場がどんどん上がるわけだ。

94006_3ヤンゴン視察・滞在中の日本人経営者たちと
94006b_3ヤンゴンの夕日

 ヤンゴン市内では外国企業が入居可能なオフィスビルは数棟もなく、4つ星クラス以上のホテルは客室総数が1000室あるかないかという細い供給である。一方では、ヤンゴン空港乗り入れ便の総席数はざっと計算して1日3000席以上ある。たとえ半分埋まったとしても(現状ではほぼどの便も満席に近い搭乗率だ)、ホテルの受け入れキャパが十分とはいえない。いや、明らかに不足している。

94006_494006b_4ヤンゴン空港に降り立つANAクルーとビジネスジェット

 市場メカニズムから考えれば、供給不足は必ず相場を吊り上げる。ホテル代やマンションの賃料が1年前の2~3倍になって、オフィスビルは入居待ち状態で数倍高騰しているという状況はいずれも説明できるだろう。

 次に、バブルとは何かを考える必要がある。90年代初頭の中国はもしバブルと言えるのなら、そのバブルが20年近くも続いたことになる。これくらい長く続くバブルなら、乗ってもいいじゃないかとひそかに考えるのは私だけだろうか。ということで、また3月も人材採用のために渡緬する。