この数日、マレーシアにしては珍しく肌寒い日が続いている。普段は温暖湿潤な気候の中、空気が少しひんやりとし、朝晩の風には肌に冷たさを感じることさえある。熱帯の常夏を前提に暮らしていると、こうした気温の変化は妙に新鮮だ。
こんな気候の日には、「焼き」や「鍋」が恋しくなる。炭火でじっくり焼かれる肉や野菜、魚介類。立ち上る香ばしい香りは、胃袋を掴むだけでなく、体全体を温めてくれる。
こうした日々が続くたび、肌寒さが訪れるのも悪くないと思えてくる。普段は汗ばむ日常の中で忘れがちな「温かさ」の価値を再確認させてくれる貴重な機会である。