霾。――大変恥ずかしいことだが、私は不勉強でこの漢字が知らなかった。最近毎日のように中国のテレビに出てくるので、中国語で「マイ」と呼ぶことを初めて知った。さらに調べると、日本語では、「つちふる」といい、「土降る」とも書くことを知った。

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 上海等地域の空気汚染の元凶となっているのは、この「霾」である。土が降るという怖い話だが、それを駆除してくれるものは、「寒波」と「強風」だそうだ。寒波も強風もよいものではないが、いま上海市民が心待ちしているのは、まさに寒波と強風の来襲である。それで霾が退治されるからだ。テレビのニュース番組も刻一刻、天気予報上の寒波と強風来襲日程を「甘露」待ちのような口調で報じている。いかに皮肉か。

 「甘露」とは、中国古来の伝説で、天子が仁政を施すと、天が感じて降らすという甘い露である。さあ、習主席が仁政を施してくれれば、天が感じて降らす甘い露はほかでなく、寒波と強風である。

 今日もまた寒波や強風が来なかった。