ヤンゴン出張最終日の夜、市内の北朝鮮政府系運営の「Koryo Restaurant」で朝鮮料理を堪能し、歌舞ショーを鑑賞する。
上海や北京には数軒の北朝鮮系レストランがあって、何回か足を運んだことがあるが、ヤンゴンにもあるとは少々驚いた。
「焼酎は1万チャットと2万チャットの2種類あるけど、どう違うの?」
「安いのは南(韓国)の焼酎、高いのは北朝鮮の焼酎。北のほうが品質全然いいわよ」
「キムチとか刺身、どこの食材を使ってるの?」
「これ、全部、北朝鮮から直輸入しているのよ、どれも最高の食材ですわ」
「プルコギも一皿ちょうだい」
「あの~、すいません。肉だけはミャンマー産ですが、それでもいいんですか、それよりも北朝鮮産のマツタケの炒め物がお勧めです・・・」
半端ではない愛国心。というよりも、北朝鮮の外貨稼ぎだろう。食材は素朴で某国のような「食の安全」の問題はまずなさそうだ。いや、それがうまい。特にサバの丸一匹焼き。あのプリプリとした食感は天下一品。かなり満足度が高い。
ついに、のんべえであることがばれると、4万チャットもする朝鮮人参焼酎を勧めてくる。それを断って、安い韓国産の焼酎をちょうだいというと、ニコニコして、「すみません、それが売り切れです」と。参った。
歌舞ショーは、個人的に少々期待外れ。いかにも北朝鮮らしい、金氏一族を称える曲目を期待していたが、あまりそれがなかった。その代りに中国語曲を中心としたレパートリーははっきり言ってつまらなかった。何よりも、タイタニック主題歌の「My heart will go on」を北朝鮮風に熱唱したところ、西洋人客の大笑いを誘った。
ショーは上海や北京同様、北朝鮮人のウェトレスたちが歌姫やダンサーに変身しての出演である。全体的に食事代は安くないが、話題性なら一見の価値があるかもしれない。