日本企業の中国での成功確率とは?

 「日本企業の中国での成功確率はどのくらいでしょうか」
 「4%くらいです」

 ――先日のセミナーで某日系企業の経営幹部の問いに対する私の答え。4%の根拠は、私独自の「ダブル二八法則」に基づくもので、20%の2割は4%である。本当の意味で成功を収め、なおかつ持続的に利益を上げられるのはせいぜい100社中4社程度であろう。

 ここ10年、私は中国リスクをずっと叫んできた。だが、決して「中国に出るな」と言っているわけではない。本当に成功できる日本企業はしっかり出ればよい。何も恐れることはない。ただ、その数はほんの一握りに過ぎない。

 では、残りの96%はみんな負け組かというと、そうではない。負けそうになったら早いうちに引き、戦略調整をすればよいし、またいったん負けても敗者復活すればよく、中国で失敗しても別の場所で成功すればそれでいい。

 「撤退」は「敗退」と思う必要はない。たとえ「敗退」でもいい。「敗退」すらできなくなったとき、「戦死」しかないのである。

 これからの数年、多くの日系企業は中国から撤退するだろうが、過剰な恐怖心は必要ないし、冷静に自社の立ち位置を確認して行動すればよい。そして、4%の大成功組の善戦を心から願っているし、祝福したい。

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