中国の全盛期が終わった、日系企業は引くべきところから引こう

 ここ2週間、マレーシア移住に先立って顧客挨拶回りが始まった。マレーシア移住のことは早い段階でお客様に公表したこともあって、あまり驚きがないが、それでも、「立花さんも中国から引き上げるのですから、やっぱり、中国はダメですか」という声は多かった。

 いや、引き上げるわけではない。今後、中国業務は私が出張ベースで継続すると説明しても衝撃があったことは否めない。

 私のブログの経過を見てもらっても分かるように、私がマレーシア移住を決めたのは、昨年2月だった。9月以降の日中関係の悪化より半年も前に移住を決めたのであった。そのとき、ある予感があったのは確か――。日本企業が中国で盛り上がるのはあと5~10年くらいかなと。現にそれが的中している。

 コンサルタントとして、こういう話をするとまずは、同業者に怒られる。われわれ日系顧客を相手にするコンサルとして、企業が撤退したら商売にならないからだ。中国は大丈夫よ、来て下さいと言う姿勢に徹しているコンサルも大勢いる。それでいいのか。

 ダメと分かったら、まず縮小する、引くのが肝心だ。なので、むしろいま、中国ではもう将来性のない企業、業務はどんどん引いた方がいいよと企業に言っているのだ。我々の商売が減るのは分かっている。けれど、良心でものをいわなければならない。中国で生き残れ、かつ利益を上げられる企業以外、どんどん引くべきだろう。

 当社の顧客の95%以上は、東証一部上場の大手だが、それでも中国で弱っている企業が相当いる。無理するな。引くべきところは引こうよと私は言っているのだ。大手企業は全部根こそぎから引かなくても、一部の機能から引こうではないか。

 日系企業は引いている。上海に居ても肌で実感できる。それが企業の正しい決断であって、戦略であろう。中国の全盛期は終わったのである。と私はそう思っている。敗退ではない。戦略移転である。

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