悲しきワルツ、マレーシアのゆく年くる年

 マレーシア交響楽団(MPO)の新年コンサート(1月9日)のチケットを購入した。

 毎年のように、憧れのあるウィーンの黄金ホールで開催されるウィーン・フィル管弦楽団のニューイヤーコンサートチケット抽選を申し込んでも、一向にあたらない。アメックスのコンシェルジュは独自ルートの「ダフ屋?」経由で手配してくれるのだが、1枚40万円以上の高額でさすがに手が出ない。今年はウィーンを諦めて、クアラルンプール現地でローカルを楽しむことにした。ボックス席でも100リンギットという格安さ。

 ニューイヤーコンサートといえば、定番のワルツ。今年のマレーシア交響楽団の曲目は以下の通り。

  ヨハン・シュトラウス2世: こうもり序曲
  ウェーバー: 舞踏への勧誘
  シベリウス: 悲しきワルツ
  チャイコフスキー: エフゲニー・オネーギン・ワルツ
  ラヴェル: ラ・ヴァルス
  シュトラウス: 歌劇「薔薇の騎士」組曲

 気になるのは、シベリウスの「悲しきワルツ」。今年は連続航空機事故、洪水の自然災害など、マレーシアにとって不運の1年だった。数多くの尊い命を失い、あまり過剰な華やかさ一色のワルツでは少々不謹慎ささえ感じられてしまう。かといって、「G線上のアリア」では新年早々どうかというのもあるだろうから、シベリウスの「悲しきワルツ」あたりが妥当な選曲ではないかと。

 余談だが、「悲しきワルツ」は演奏時間を調べると、4分台から7分台との大きな開きがある。指揮者の意図や感性でずいぶん曲の雰囲気が変わってくるものだ。今年のKLコンサートは何分の演奏になろうか。いずれにしても悲しき時との別れ、そして強き再起を願って、マレーシアにとって2015年は素晴らしい年になるよう祈りたい。

 Be Strong Malaysia!
 God bless you Malaysia!