逃げ切り組と逃げ遅れ組、身の振り方三つの選択肢

 TVで放送された世代別の年金受給額-支払額の数字だ。

  年代  年金受給額-支払額
  20代   -2240万円
  30代   -1700万円
  40代   -1050万円
  50代   -260万円
  60代   +770万円
  70代   +3090万円

000(写真:http://temita.jp/none/9065)

 このような数字だが、公平だろうか。答えは3つ。「公平」「不公平」「どちらでもない」。それぞれしかるべき論理があるだろう。私にはいろんな友人がいる。年金をたっぷりもらい悠々自適な生活をしている70代の方もいれば、これから真っ暗という20代の方もいる。

 民主主義とは最終的に、票数で結果を決める制度だ。高齢化が進む日本では、高齢者票が多数を占めれば次世代に不利な結果にもなりかねない。かといって高齢者の一票を0.5票にすることもできなければ、若年者の一票に0.5のプレミアムを上積みして1.5票にするわけにもいかない。

 すると、大変失礼な言い方だと、いまの既得権利者層(「逃げ切り組」)がなくなる20年後にならないと、若年層の「逃げ遅れ組」がものを言えず(発言力が相対的貧弱)、現状は変わらない。いやそこまで日本の財政がもつかの問題もあるのだが、では、財政が破綻したら状況がよくなるのだろうか。答えは明白だ。

 では、対策は何か。少なくとも、不肖私はその知恵を持ち合わせていない。正確に言うと実効性があって実施可能な案がないというこどだ。ただ個人ベースにおいて、一人ひとりの身の振り方の選択肢だけは明確だ。社会改革に取り組む、自己改革に取り組む、行動を伴わない批判を続ける(社会変革を待つ)。この三つ以外はない。