ベトナム計画投資省訪問、法令111号と産業集積の話

 金曜日午後、引き続き官庁回り。ベトナム計画投資省・外国投資庁へ表敬訪問。

151127-1525-Hanoi-ベトナム計画投資省ベトナム計画投資省

 私の経歴のせいか、長く中国で仕事をしてきた人間で、この時期にベトナムへやってきたのはいささかセンシティブ(?)に思われるのかもしれない。中国から日系企業をベトナムに引っ張ってきたとか、私はそんな魔法の力など持ち合わせているはずもなく、すべてご時勢なのである。

 ベトナムだって問題が多い。まずは産業集積が立ち遅れている。これをベトナム計画投資省の担当部長に持ち出すと、役人はすぐに「確かにそれが大きな問題です。ですから、ベトナム政府は政令111号を出しました・・・」と胸を張った。

 つい2週間前に公布されたばかりの、ほやほやな政令111号は、いやゆる裾野産業育成法令に当たる。繊維、皮革産業、履物、電子、自動車といったベトナム政府優先支援産業・製品リストとそれに係る研究開発や技術移転に対する助成金の給付などの内容が盛り込まれている。

 政令が出されたからといって一朝一夕に産業育成が成就するわけではない。ただ、問題意識をもっていることは確かで評価されてもよかろう。TPPの批准発効に向けてとりわけ繊維関係がまず盛り上がるだろう。続いて電子や自動車。まあ、国家戦略としては一定の合理性がある・・・。