気になっていた店、クアラルンプール市内にある「山口水産(Yamaguchi Fish Market)」の探検ツアーをついに敢行した。
面白すぎる、この店。雰囲気的にどうも怪しい匂いがプンプンしている。店内に大型の水槽が何個も無造作に設けられている。ありがちな中華海鮮料理店と同じシステム。回遊している魚やプクプクしている貝類を掬い上げてもらい、調理法を伝えて調理してもらう。
その調理法は、日式の「刺身」や中式の「蒜葱蒸し」、あるいは日中折衷の「グリル」と多様な選択肢が用意されている。刺身の盛り合わせを頼んでみると、まあ、まともな日式であることが確認できると、次は水槽から単品刺身を注文してみることに踏み切る。
北海道産の帆立貝はなかなか悪くない。もう少し厚く切ってほしかったが、鮮度も味も良である。もう一丁行こうかと、今度は生牡蠣。これは凄い凄い。大きいし、実がたっぷり詰まっている。充実感は申し分ない。
ここまでくると、後半は中華系メニューに切り替える。巨大ハマグリをピックアップして、ニンニク葱蒸しを頼むと、豪快な広東式蒸しが出てくる。これも素晴らしい。味は百パーセント中華、日本食の成分がゼロ。日本酒をチビチビ飲みながらの中華海鮮も捨てたものではない。いやいや、それが絶妙なハーモニーだ。
ほかにも試してみたいメニューがたくさんあるが、もうそろそろ胃袋の限界で、主食が入らない状態だ。どうしても食べたい。よし、海鮮粥で行こう。何とやってくるのが大型土鍋。1人1杯で分ければ、8人前以上ある。これも基本的に広東式だが、米粒がややしっかり残っているところだけが日式雑炊を彷彿させる。
妙な日本料理店。どちらかというと、中華海鮮料理店の一部ジャパニーズ化だ。客入りは上々。ベンツなどの高級車が続々と駐車場に入り、8時頃になるとカウンター以外はほぼ満席状態。
閑古鳥が鳴く一部のいわゆる王道系日本料理店を一瞥もせず、わが道を行く「非王道」和食屋が海外で繁盛する事例は、枚挙にいとまがない。現地人には現地人なりの「おふくろの味」がある。そのDNA的な味覚を日本料理と関連付けた時点で、「爆売り」が実現する。
実に面白い。
近所に住んでいるのであの敷地にはよく行くのですが、3軒とも同じオーナーとか言ってました。
奥の店もオーナーさんのホスピタリティ画面ちゃんとスタッフに行き届いていてサービスが丁寧で、ビールもおいしい良いお店です。
和食は笹川がベストと思って山口水産を避けてましたが、そういうつもりで行ってみます。
ありがとうございました。
あ、そうそう。お礼を申し上げ忘れていました。鮨正はいつも行くのですが、さいとうを試してみようと思った矢先にコメントを読ませていただいて、やめました。これもありがとうございました。
鮨正はまだ行ったことがありません。行ってみます。こちらこそ情報ありがとうございました。
今日は「鮨正」で殻付きの雲丹で初夏を堪能しました。カジュアル鮨屋の一番人気「織部」の倍の値段はしますが、それにふさわしい内容だと思います。
情報アップデートありがとうございます。「鮨正」も「織部」も両方近々時間を作って行きたいと思っています。