ルアンパバーン(3)~朝靄のメコン川と活気溢れる市場

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 12月25日(月)、ルアンパバーン滞在。未明5時起床、托鉢の見学。7時45分、ホテルで朝食。

 朝靄のかかったメコン川を眺めながらの朝食は、なんともいえない非日常的で贅沢な時間だ。都会生活者にとってこの種の非日常的さを求めて旅に出るわけだ。

 朝食を終えて自転車に乗って市内観光に出かける。ワット・マイ(Wat Mai)は、1788年落成した寺院。5重層の屋根は典型的なルアンパバーン様式。

 本堂の壁にある釈迦の説話や、ラーマヤーナが描かれた黄金のレリーフが素晴らしい。

 私は仏教徒ではない。寺院の見学はつねに何ら宗教的な思いももたずに臨み、単なる建築物の芸術的鑑賞に徹しているだけ。

 ワット・マイよりもその裏に立つ朝市に興味をもつ。庶民の生活を垣間見ることが旅の楽しみの1つである。観光地化されているとはいえ、生鮮の食料品が多く売られていることはやはり、現地住民の台所という証である。

 市場には露天が多数集まり、野菜やメコン川で獲れた魚が並ぶ。ラオスはインドシナの内陸国である。魚といえばまず川魚。それにしても種類が多い。どんな料理にされているのか、興味が尽きない。

 現代社会において、市場がどんどん味気のないスーパーに取って代わられている。これだけ大規模の朝市が健在しているというのはかなり珍しい。経済発展とともに活気溢れる市場が消えないことだけ祈りたい。

 朝市歩きで疲れたら、市場のなかにある小さなカフェに腰を下ろして一服するのもまた旅の醍醐味。冷たいアイス・カプチーノを啜りながら、ぼーっと行き交う買い物客を眺めるのもまた贅沢なひと時である。

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