サパの旅(4)~活ニジマス鍋と焼き豚、そしてトウモロコシ酒

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 夜は餌探しに、サパの街に繰り出す。ベトナム人観光客にも人気なニジマス料理と焼き豚に挑戦。

 ニジマスは、鍋にして食べる。活ニジマス鍋である。1匹60万ドン(約2900円)。外国人とみて吹っかけているのではないと、とりあえず50万ドンで値切ってみる。「絶対に値引きはしない、いやだったら、お引き取り下さい」と強気なお兄ちゃん。その姿勢は好き。よし分かった。60万ドンでいいぞ。

 出てきたニジマスの切り身は、鮮やかなピンク色。上手に三枚下ろしされている。腹骨や小骨はすべて奇麗に取り除かれており、鍋料理用になっている。まずは頭と中骨を鍋にぶち込んで出汁取り。肉は1分くらいでしゃぶしゃぶして食べるように指導されたが、寄生虫が怖いので、3分くらいで熱が完全に通るのを待つことにした。

 鍋はベトナム風の味付けになっている。それはそれで美味しいが、なぜか急に石狩鍋にして食べたくなった。次回は味噌、みりん、醤油、酒と昆布を持参しよう。このニジマスはやり方によっては、燻製や塩焼きとバリエーションをどんどん膨らませることができる。食いしん坊はまたもや妄想の世界に浸る。

 焼き豚については、実は正確に言うと、「焼き茹で」である。皮はパリパリ感としっとり感が混在しているところが面白い、肉に至っては完全に茹で豚になっている。中華料理の焼き豚に比べると、油っぽくないし、日本人の味覚に合うかもしれない。ちなみにこの辺の少数民族の肉の料理法はこの「焼き茹で」が主流だという。

 最後にお酒。サパ地方の名物地酒は何といっても、モン族のトウモロコシ酒。こいつは強い。アルコール度数は40~50度とかなり高め。ただ口当たりが良いので、ぐいぐいといったらすぐに酔い潰れる。要注意だ。

 ご馳走様でした。

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