これでもか、寧波点心食い倒れツアー@南塘老街

 11月5日(月)、北京で顧客企業と打ち合わせ後、夜発の東方航空MU5180便で浙江省・寧波へ向かう。日付が変わって未明に寧波到着。寧波では3泊の予定。日系企業向けのセミナー講演以外に、主に政府関係者や中国企業との打ち合わせが予定されている。

 11月6日(火)、昼食は自由時間。寧波といえば、湯圓(タンユエン=もち米の粉で作る餡入り白玉団子)。これを食べずには帰れない。早速、湯圓や点心を食べに、南塘老街(ナンタンラオジェ)へタクシーを飛ばす。

 南塘老街は昨今流行りのいわゆるレトロ街の改造版。北街と南街の2つのエリアからなり、道の両脇にはレトロな雑貨屋や小さな飲食店が立ち並ぶ。古い江南建築の建物にリノベーションをかけて100年前の街並みを再現するという形態が取られている。

 朝食を抜いた私はだいぶお腹が空いた。まず前触れの「前菜」には、恒例の臭豆腐。香ばしさと臭さのハーモニーはやはりたまらない。次に入る点心店では大量注文を開始する。

 小籠包も高級店よりはこのあたりの庶民的な店のほうが美味しい。高級店より皮がやや厚いのが私の好みだ。小籠包とのコントラストを楽しむには生煎包(シェンジェンポー)に限る。

 「生煎包」は、「生煎饅頭」(シェンジェンマントー)ともいう。挽き肉の具を小麦粉の皮で包んだ包子を、鉄板で蒸し焼きにした点心。小籠包より日本人の間での知名度がやや低いが、これはまた小籠包に負けないほどの美味である。

 いよいよ、スープ系がほしくなってきたところ、ワンタン(餛飩)の出番だ。ワンタン麺などもよろしいが、単品のワンタン(ワンタンスープ)はまた格別。なぜか豚肉ではなく、牛肉だった。これも米中貿易戦争の影響か(大豆輸入の激減による豚の飼料不足)。いやいや、牛肉も美味しい。

 いけない。焼売を忘れていた。江南地域の点心である焼売は、日本国内で売られている焼売とはまったく別物。日本のようなひき肉やグリーンピースではなく、中身はもち米をひき肉や干しエビや醤油と一緒に炒めて味付けしたものである。どちらかというと、粽の中身に近い。病みつきになる味だ。

 湯圓にたどり着くまでには、ほぼお腹一杯になった。このままでは危ない。移動だ、湯圓専門店「缸鴨狗」(ガンヤーゴウ)へハシゴ。

 本場の寧波湯圓。元宵節(旧暦1月15日)に一家団欒・家族円満を願う縁起物だが、実は願うどころか、この湯圓を食べるだけで間違いなく幸せになれるだろう。そんな魔法の食べ物だ。日本の餅とは少々違う食感ではあるが、これも病みつきになる味である。

 もう一種類の縁起物は「年糕」(ネンガオ)。どちらかというと、日本の餅により近い存在ではないかと思う。これも炒めたり、蒸したり、あるいはスープやお粥系にしたり調理方法は多種多様である。あっさりとした「雪菜年糕湯」を注文。細かく刻んだ高菜の漬物と豚肉を具材とする薄い塩味の餅スープで、「食い倒れ点心ツアー」を締めくくるには最適な一品だ。

 もうこれ以上は無理。ご馳走様でした。