日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」が私の記事(12月3日付Wedge掲載)『「香港デモ」で明らかになった「どちらの側につくのかを決める」時代』を取り上げた――『香港デモ 日本共産党の立場に注目』(12月14日付しんぶん赤旗電子版)。
安倍政権が「香港問題に向き合うことすら避けてきた」「習近平氏(中国国家主席)の国賓来訪に熱心であっても、香港問題に積極的に反応していない」「本来なら、政府自民党がやるべきことだった。それが野党のしかも、共産党に役を奪われてしまったのである」という私のコメントが引用されたが、それは事実であり、政府自民党に反省してもらいたいことである。
とはいっても、複雑な心境である。私は反共産主義者であり、日本共産党を支持、支援したことは一度もない。日本共産党の「香港民主化運動支援」関連を取り上げたのは、鮮烈な対比として、与党自民党政権の不作為を批判するためである。やるべきことをやっていない。逆に役を日本共産党に奪われてしまった。それは紛れもない事実である。
さらに、習近平中国国家主席の国賓訪問招請。時期に相応しくないよりも、いささか非常識ではないかとさえ思えてしまう。経済的利益という観点においても、同じ回答が見出されるはずだ。米国が貿易戦争を仕掛け、中国に構造改革を強く求めていることは長期的に対中事業環境の本質的な改善につながり、ひいては日本の経済界の利益にもなる。そうした意味でも、米国と歩調を合わせ、毅然とした対中姿勢が求められる。
「Who」ではなく、「What」だと、私の一貫した原則である。日本共産党だから反対するというのではなく、その言動の中身を評価するのが私のスタンスだ。