安倍晋三氏は「名宰相」になれるのか?ある大胆な仮説

 12月26日付けの記事『秋元議員の逮捕事件、絶妙なタイミングに何が隠されているのか?』に、逮捕劇は安倍氏らが自ら企画、仕掛けたものではないかという「大胆な」仮説を立てたが、少し根拠(と思われる、また仮説ではあるが)に触れてみたい。

 「名宰相」の話から始めよう。安倍晋三氏は憲政史上最長在任の首相となった。これが単なる「量」に過ぎない。「質」が伴わないと名宰相になれない。つまりにレガシー(政治的遺産)を遺す必要があった。戦後の内閣を見渡すと、吉田内閣は日本国主権回復、岸内閣は日米安保改定、池田内閣は国民所得倍増、佐藤内閣は沖縄返還、田中内閣は日中国交正常化、中曽根内閣は国鉄と電電公社の民営化、小泉政権は郵政民営化、拉致被害者の一部救出……。

 しかし、安倍政権は何をやったのだろうか。アベノミクスは正直言って不発(デフレ脱却できていない)、北方領土交渉は失敗、拉致者帰還は実現できていない、働き方改革は軌道に乗りそうもない。憲法改正はどうも未だにスタートを切っていない。何も残せるレガシーがないのだ。ここまでくると、何とか「4選」に持ち込み、何が何でも「量」の在任期間(最・最長)で勝負するか、それとも何か大きな賭けに出、「質」的にビッグなことをやり遂げるかの選択に直面する。

 ビッグなこととは何か?「自民党をぶっ壊す」くらいなら、十分にビッグなことになる。小泉氏は「自民党をぶっ壊すくらいの覚悟で」と素振りだけだったが、今なら本物のぶち壊しを仕掛けられる。中国利権に絡んだIR事業にメスを入れ、与野党を問わずブラック政治家を何人も何十人もつまみ出せば、自民党どころか、日本の政界をぶっ壊す「ブルドーザー」戦略の成功になる。

 すると、戦後最長の安倍政権が「日本政界大改造」というレガシーを残せるわけだ。そこで運良く憲法改正も通れば、まさに「戦後日本政治大革命」になり、安倍氏は戦後史上最強の「名宰相」になる。と、私のまたもや妄想たる仮説である。

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