秋元議員の逮捕事件、絶妙なタイミングに何が隠されているのか?

 中国企業からの賄賂容疑で、自民党の秋元司衆院議員が逮捕された。少し大胆な仮説を立てるようだが、安倍氏ら(とりあえず「ら」をつけておこう)が自ら企画、仕掛けたものではないかと。

 まず逮捕のタイミング。最近の年末は、東京地検特捜部はとにかく忙しい。昨年は日産のゴーン氏逮捕。今年は自民党の秋元議員。国会議員の国会会期中の不逮捕特権もあって、今逮捕すれば勾留期間を延長しても通常国会前に起訴を終えることができる。逆にもたもたしていたら、国会が開会する。

 議員の汚職逮捕は相当難しい。金銭的やりとりが錯綜しているだろうから、ブラックマネーを特定するのも簡単ではないはずだ。ゴーン氏の1件の教訓もあったことから、今回は内偵で相当な証拠が固まっていただろう。そのなか、自民党の「内部告発」があったかもわからない。では、なぜ身内を突き出すのだろうか。

 奇妙なことに、今回の事件には野党が妙に静かである。たかが桜事件であれだけ騒いでいたのに、秋元級の事件なら嵐のように自民党に攻撃を仕掛けてくるはずだが、なぜか静かだ。これも仮説だが、野党の中にも「秋元」たちがいるのではないかと。しかも、少数ではない。ならば、納得する。

 私が何度も書いたが、香港問題や人権問題があって、与党自民党がそれを見て見ぬふりし、対中蜜月に酔い痴れている。与党を攻撃するなら、これが最大級の材料になるはずだが、なぜか野党が黙ってきた。おかしいだろう。日本共産党だけが中国に抗議していた。まさに前代未聞の怪現象だった。

 仮説を続けよう。もし、「ブラック・チャイナ・コネクション」問題が与野党の全体を侵食していたならば、たとえそれが公に広範囲に暴露されても、必ずしも自民党にとっての致命傷にならないからだ。そうしたなかで、安倍氏らがむしろ自浄作用のスタートボタンを自ら押したという可能性もある。

 絶妙なタイミングに、4月の習近平中国国家主席の国賓来訪を控えている。そんなセンシティブな時期に、そういうことをやっていいのかというと、そういう時期だからこそやるのだという逆説が生まれる。中国問題が日本の政界でどんどん暴露され、もしや芋ずる式的に次から次へと出てきた場合、それはムードが悪化し、歓迎一色の国賓来訪に冷や水をかけることになる。

 「習さん、ごめん。うち内部の問題で、台無しだ。本当にごめん」。これは、人権問題で正面から国賓来訪を拒絶するよりも、はるかに洗練された断り方ではないか。もしこのような仮説が成立するのだったら、安倍氏がトランプ氏級の戦略家である。脱帽。どうなるか分からないが、事態の展開が面白くなることは間違いないようだ。

<続き>『安倍晋三氏は「名宰相」になれるのか?ある大胆な仮説』

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