ベルギーの旅の目的は美食。ヨーロッパの美食といえば、フランスやイタリアになるが、実は隠れたグルメの国、ベルギーが存在するのだ。
9月3日昼前、ブリュッセルに到着すると、すぐに街に繰り出す。まず目指すは、ブリュッセルのイロ・サクレ――「食い倒れ横丁」 。
一軒目は、ヨーロッパ駐在の長いクライアントの方からの紹介で、「シェ・レオン」。早めに入店してよかった。あっというまに満席。注文は、生カキとロブスター・ブイヤベース。
ブイヤベースはいわゆる地中海の漁師の鍋、魚やエビを大鍋で塩と煮るだけの料理であった。17世紀に新大陸からトマトが伝来すると食材に取り入れられ、また19世紀にマルセイユが観光地化すると、多数のレストランが地元料理のブイヤベースを目玉料理にして技巧を凝らし、料理法も発展、洗練されて今日に至る。ロブスターはオプションとして追加される。全体的に熱々さが少々欠けるが、味は一流。
午後はホテルに戻り、休息を取る。夕方は近所の小便小僧の見学をして、再度イロ・サクレへ向かう。
夕食のメインは、ベルギー名物のムール貝白ワイン蒸し鍋と海鮮パエリア。いつも食べなれたムール貝より小ぶりだが、身がプリプリ引き締まって弾ける食感はやはり素晴らしい。最後の一滴の汁まですべていただいた。
Bon appétit!