「辞めない小沢さん、困る民主党」人事労務版

 「私は、悪いことやってません、だから代表を辞めません」、小沢民主党代表。

 「ホンマかいな、火のないところに煙は立たんで・・・」、疑う国民。

 疑う国民が増えると、民主党の次期衆院選が危うくなる。

 いまの民主党と小沢代表には、以下4つの選択肢がある。

 (1) 小沢氏が代表の座にとどまって、民主党が勝利し、政権交代する。 
 (2) 小沢氏が代表の座にとどまって、民主党が敗北する。
 (3) 小沢氏が代表を辞めて、民主党が勝利し、政権交代する。
 (4) 小沢氏が代表を辞めて、民主党が敗北する。

 民主党にとって、上記の優先順位は、まず(1)と(3)です。

 しかし、小沢代表にとっての優先順位は、(1)と(3)なのか?それとも(1)と(2)なのか?そこが微妙です。

 そこなんです。民主党の利益と小沢代表の利益は、(2)と(3)で衝突していませんか?

 小沢氏は、公式の場で涙を浮かべて「私は、代表の座にも首相の座にも未練がない、政権交代が使命だ」と言っている。この言葉を額面通りに読むと、小沢代表も(1)と(3)で、民主党の利益と一致している。

 では、民主党にとっての課題が単純そのものです。以下2つの検討事項を客観的にに分析して結論を出せばよい。

 (A) 小沢代表のもとでの勝算が大きいか?
 (B) 小沢代表が辞任して、他の党首のもとでの勝算が大きいか?

 報じられた小沢代表のセリフを解読すれば、民主党がすでに(A)の結論に達している。果たしてそうなのか?

 われわれ企業の中にも、「小沢氏」のような人物はいませんか?

 会社の利益を考え、「小沢氏」を座から降ろしたほうが良いときがある。そのときどうすればよいのか?

 「小沢さん、辞めたらどうですか?そのほうが民主党にとって勝算が大きい」と、民主党内の誰かが言えますか?もし、その誰かが言ったら、「お前が、もしや野心を持っているんじゃないか」と回りから見られます。

 党の利益や企業の利益のためなら、そのとき、どうすればよいのか?

 そうなんです。外部のコンサルタントを活用すると良い。自分が言えないことは、他人に言わせればよい。

 私は、経営コンサルタントとして、人の言えないことを言う場面も多々あります。結果的に「小沢降ろし」の手伝いになってしまうこともあります。もちろん、「うそは言わない」、「企業のためなら」というのが信条であって、前提でもあります。

 「小沢さん、辞めた方が良いよ」、私の声は到底小沢さんの耳元には届きませんが、密かに言ってみました。