人材会社と結婚紹介所、一生幸せにしてくれますか?

 『非常識な現地採用日本人が増殖中、採用には要注意!』に、フィードバックが来ました。言及された上海某日系人材会社J社の中国人総経理B氏から私宛のメールです。

 「この度、弊社の新入社員Aが、登録者推薦にあたり、電話対応の悪さで大問題が発生しております。立花様のブログにて書かれている内容はすべて正しく、私としてはこれ以上謝る資格も無いと自覚しております。すべて私の責任です。本当にすみませんでした。最後のお願いでございますが、弊社にご登録頂いたご登録者様にご迷惑をおかけしたくないこともあり、書類選考が通過したC様の翻訳試験を是非予定通り行って頂きたいと存じます。……(中略)、紹介料金は頂戴致しません。おそらくこれは現在ご登録者様、御社に私が唯一出来ることでございます」

 非常に心打たれるメッセージです。責任を取る姿勢ほど美しい、格好良いものはありません。経営管理職としての苦労、そして、責任感と誠意が伝わります。

 私が以下、返事します。

 「C様の翻訳試験は予定通り行うことを約束します。採用した場合の紹介料は、きちんと支払います。お気持ちがあるようであれば、甘えさせていただきたいこと、たった1つです。半年以内に人材が辞めた場合あと1回だけ、特別サービスとして、代わりの人材を無料紹介していただきたい。……(中略)B総経理様のプロフェッショナルな対応に大変敬服します。改めて心から深謝します」

 人材会社の競争が熾烈です。なぜかというと、現在多くの人材会社が、ブローカー的な紹介行為しか、バリューを出していないからです。企業が本当に求めているのは、人材入社後のパフォーマンスではないか?

 結婚紹介所にも同じことが言えます。ただ、男女をくっ付けるだけではないのです、カップルが今後一生幸せに暮らせるかどうかということを考えないと、消費者の需要を無視することになります。当座の収益面からいうと、結婚したカップルが離婚して、再度紹介を依頼して、再婚した方が、紹介所にとって都合が良いわけですが、果たしてこれで良いのか?

 結婚紹介所の評価ベンチマークは、成婚率の高さではありません。離婚率の低さなのです!人材会社の評価ベンチマークは、入社率の高さではありません。離職率の低さなのです。

 私は、いくつかの人材会社に、ビジネスモデルの切り替えを呼びかけています。そこで、「ビジネスモデルの切り替えはそう簡単ではない、時間がかかる」と、ほとんどこのような回答が返ってきます。その通りだと思います。ただ、肝心なのは、理屈が分かっていても、行動に移しているかどうかです。自分自身を変えなければ、いずれ、変わる市場に取り残されます。いまは、このような時代です。

 素晴らしいB総経理のいる人材会社J社の健闘を祈ります。

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