ハーバードとの合同年会、不況下のマーケティングを考えよ

 一昨日4月8日、私のMBA出身校・中欧国際工商学院(China Europe International Business School)と米ハーバード・ビジネス・スクールとのOB合同年会・交流会が上海であり、参加しました。

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 今回のセミナーの部のスピーカーは、マーケティングの名教授・ハーバード大学のジョン・クウェルチ氏。講演主題は、「不況下のマーケティング」。英語講演だったので、細部までのメモが取れず、日本企業の参考にもなる一部ポイントだけ紹介します。

(1)基調
 不況を恐れずに、不況だからこそできることもたくさんあるので、前向きに考えよ、行動せよ!

(2)マクロ情勢
 グローバル的な景気後退は続き、年内底入れ観測が微妙である。米国・ヨーロッパは、マーケット総崩れ状態にあるが、世界的に、光るスポットもマーケットのあっちこっちにある。大きなトレンドに捉われずに、光るスポットだけ追っかけ、不況下のサバイバルを考えるべきだ。

(3)不況下の三つの繁盛業種(ジョーク?)
  ① 家庭用金庫メーカー (キャッシュは王様だ)
  ② 風邪薬販売業 (医療費しか使わない・・・)
  ③ 靴とパソコンの修理屋 (倹約、倹約、また、倹約)

(4)不況下の市場細分化、六つの消費者タイプ
  ① 支出急減タイプ ・・・ 何から何まで出費を切り詰める。
  ② 浪費家タイプ ・・・ 目先さえ良ければ明日など考えない。
  ③ 忍耐タイプ ・・・ いまは我慢しよう、明日はきっと良くなる。
  ④ 倹約タイプ ・・・ とにかく最低限の生活に徹する。
  ⑤ 同情タイプ ・・・ 業者も可哀想だから、ちょっと買ってやろうか。
  ⑥ すっからかんタイプ ・・・ 全財産を失う。

(5)企業として、カットしてはならない四つのコスト
  ① 市場調査
  ② 品質管理(QC)
  ③ 商品開発
  ④ 研修教育

(6)不況下、企業のやらなければならないこと、と、やってはならないこと 六つ
  ① お客様の問題を解決せよ!商品を押し売りするな!
  ② 結果的には、価格で競争せよ!
  ③ 製品品質を絶対に落とすな!
  ④ イノベーションを続行せよ!
  ⑤ ブランド・イメージの構築を止めるな!
  ⑥ お客様の手をしっかり握り締めよ!

(7)最後に補足
  ① 商品の値上げや付加価値増よりも、減量して売れ!
  ② 多目的商品を作れ!
  ③ 時間があったら、インターネットで勉強せよ!

 上記少しでもヒントになれば、幸いです。