人に言えない?セミナーの秘密

 定員40名、会場増設して、60名近くの申込みをいただいた超満席。12月11日の【中国語セミナー】「新労働法令総括と人事実務」は、大盛況になりそうだ。

 顧問企業は、無料で参加していただけるが、一般参加は、今回1日研修なので、一人2000元という受講料をいただいている。バリュー換算で、1日10万元のセミナー売り上げだ。

 「私は、排気ガスを出さない、廃水を流さない、まったく無公害で、環境に優しいGDPを中国に貢献してます」

 先日、ある顧客企業とセミナーが話題になると、私はこう自慢した。

 「立花さんのセミナー、有料なのにいつも満員ですね。コツは?」とよく聞かれる。うん~、それは、それは、コンサルタントの秘密だなんていわない。といっても、コツはない。秘密もない。どうしても言うのなら、私は、すべての(有料)セミナーで、顧客秘密を除いて、自分のノーハウをすべて出し切ることにしている。保留はないと、自信をもって言える。

 手の内を明かす。コンサルタント業にタブー視されているようだが、そんな業界の常識を覆す時代が到来したと信じている。ノーハウを出し切ることは、新たなノーハウを蓄積する原動力になるからだ。自分の逃げ道を自分で断つことは、私の主義だ。「守り」では、絶対に守りきれない。「攻めが最善な守り」である。

29301_22004年当時のセミナー、慣れないうちに原稿に目を落としっぱなしの棒読み

 無料セミナーが当たり前の時代だ。無料セミナーには、ボランティアセミナーもあるが、そうでない場面がほとんど。主催者(講演者)は、後日の受注で利益を出すわけだが、それは、正当な手法で一種の商品・サービスのデモンストレーションだ。

 私も、よくとは言えないが、たまに無料セミナーに出て、役に立つ情報や他人の観点を吸収している。すごく有用な情報を仕入れたとき、「申し訳ないなあ、ただで資料までいただいて・・・」と思ったり、また、あまり役に立たないセミナーになると、「時間の無駄だ」と密かに怒ったりもする。

 あと、同業者の交流もとても良いことだと思って、私のセミナーには、数多くの同業者コンサルタントや弁護士の先生を受け入れてきた。私に向けられる厳しい監督の目が顧客の利益になるからだ。「先生、先生」と言われて、神様を気取る人もいるが、とんでもない。コンサルタントだって、生身の人間だから、間違いは必ずある。間違ったら、訂正をする。謝罪をする。それが正解率を上げる唯一の道だ。

 このスタイルは、実は、一部、私の博士課程の先生、中国労働法の第一人者である董保華先生に学んだのである。董先生のセミナーには、多くの弁護士が出席している。

 「同業者の先生たち、この問題について、いかがでしょうか、異なる見解はありますか」と、セミナー中に董先生は、何回も聞いている。すると、「実は、董先生がおっしゃったことと違う事案があるのですが・・・」と手を挙げる弁護士もいたりする。「それは、それは、是非、ここで紹介してください。会場の皆さんで共有しましょう」とマイクが客席に回される。こんな感じだ。とても、オープンな雰囲気で、結果的に受講者の利益になる。

 ということで、今回は、中国語セミナー。中国語はネイティブ状態で話せる私だが、セミナーはほとんど日本語なので、思わず緊張する。頑張ろう!