鉄板焼調理師と研修会、私のユニークな深圳出張

 今回7月1日~3日の珠海・深圳出張は、実は、研修受講が主目的だった。珠海で顧客訪問を終えた後、深圳で2日間の研修を受ける。

 コンサルタントとして、絶えずに栄養を吸収しなければならない。一種の投資であって、インプット、仕入れでもある。研修もその一環である。労働法や人事管理の専門研修はもちろんのこと、コンサルタントのスキルアップも欠かせない。特に労働法などの専門研修は、同一内容でも複数の講師のセミナーや研修会に出るようにしている。様々な観点を知ることが重要である。

39819_27月2日~3日、深圳研修会で勉強中

 私自身は、毎月最低2回ほど各種の研修を受けている。この7月だけでも、深圳2日、上海2日と、合計月4日間の研修に時間を割り当てている。当社の弁護士も同じように社外研修をなるべく多く受講させている。上海だけではない。今回のように深圳へ研修出張したり、少し前は、東京や台北までわざわざ受講のために出向いた。

 研修出張は、コストがかかる。受講料のほか、航空券や宿泊代、最近飛行機の遅延が多く、空港での時間のロス、時間で課金するコンサルタントとして業務を処理できないという機会損失がもっと大きい。

 当社のような零細企業では、これだけ研修コストを投入していいものか。疑いもなく、答えはイエスだ。情報、知識、知恵は大きな、大きな資産だ。バランスシートに載らない無形資産だ。

 研修出張の場合、夜は顧客との会食がなく、一人で食事を取る。これはまた、情報収集に絶好のチャンスだ。今回泊まった深圳Mホテルでは、夕食は鉄板焼きにした。女性の調理師は何と農民工出身、以前深圳の台湾系や日系工場で転々と工員をやっていた。偶然のチャンスでホテルの調理師に転身する「出世組」なのだ。

39819_3深圳Mホテルの美人鉄板焼き調理師、腕前もなかなか

 知らずに、ストライキの話題で盛り上がった。彼女自分も以前ストに参加した、いや、参加させられた経験があるし、また、今回のストに参加した仲間も多数いるという。スト最前線の実話、どこの新聞にも載っていない生々しい話、それはそれは迫力満点。現場労働者の目に映る外資企業や工場、経営者との闘争手法などなど、私が知らない情報を惜しげもなく教えてくれた。

 気がついたら、もう閉店時間。鉄板焼きはなかなかのお値段だが、十分、その価値がある。実に実り多き深圳出張だった。