私はこの半年、中国国内出張で飛行機に乗ったのは30回ほど。うち、まったくの遅延なきフライトはゼロ回。30分以内の遅延は3回。30分遅延は遅延のうちに入らないというのなら、遅延率は90%になる。そして、待合室での食事配布は4回、搭乗後の機内での「陸上機内食」は4回。
7月1日、空港を間違えた私は最大な努力で、浦東空港にたどり着き、飛行機に飛び乗ったものの、何と、出発1時間の遅延との機内アナウンス。理由は、例の「流量管制」。機内待機1時間の予定、いよいよ、あの「陸上機内食」が配布された。
機内待機45分ほど経過し、食事がちょうど終わったころ、客室乗務員がやってきて、「いま、離陸許可が降りましたので、2~3分で出発します」と告げてくれた。
ファーストクラスの良さの一つは、このような遅延のとき、客室乗務員が定期的に笑顔で情報をアップデートしてくれることだ。ときどき、遅延の「内情」まで明かしてくれるのだ。遅延の場合、ゲート変更が伴うことが多い。ファーストクラスなら、専用待合室にいれば随時通知がくる。あちこち奔走する羽目に合わないで済む。
とはいっても、遅延の結果は、ファーストもエコノミーも一緒だ。
7月3日、華南出張帰りの深圳→上海便はまたもや遅延。搭乗予定の19時45分発上海航空9380便は遅延、機体が何時深圳に到着するかも分からず、出発の目処は立たない。それよりも、前の便で15時35分出発予定だった上海航空9376便は、4時間遅れて19時30分頃の出発はどうやら確実なので、それに変更しないかと言われ、もちろん喜んで変更に応じた。
結局、この上海航空9376便は、4時間以上遅れて19時45分に深圳を出発した。ちょうど、次の便で、私の搭乗予定便の出発時刻だった。なんとも皮肉なことだ。
遅延だけではない。上海航空9376便が上海に到着すると、ドアを開けられないというのだ。航空機のドア開閉不能はこれで2回目の体験だ。それよりも、非常口のドアはちゃんと開けられるのかと疑ってしまう。あれこれ悪戦苦闘の末、ゲート接続して10分経過後にやっとドアが開いた。
まだ、終わらない。今度、荷物受け取り場で待っても待っても荷物が出てくる気配は一向にない。とうとう、「上海航空9376便の荷物は、輸送システム故障のため、すぐにお届けできません。いましばらくお待ちください」というアナウンス。
もう、いい加減にしろ!こんなずさんな航空事情、いよいよ世界二位の経済大国となる中国では、放置されていいものなのか。ハード面とソフト面のギャップは、大きく、広がる一方だ。
航空機の定刻出発は、中国ではもはや非日常的な出来事になった。出発遅延による損失は恒常的に発生している以上、是非ちゃんと統計して、GDPから引いてほしいと思った次第だ。