損得に疎い中国の業者、異質の思考回路

 朝、上海事務所が発注していた私の名刺が届けられた。いざチェックすると案の定、疵もの。フォントやレイアウトが要求通りになっていない。まったく違うフォントになっていた。やり直し。

 基本的に制作と校正、そして検品の問題。要はフォントやレイアウトが違っても、内容に間違いなければそれでいいじゃないかというのは基本的な思考回路であろう。このギャップは永遠に埋まりようがない。あえてこの認識の差異を掘り下げることなく、ここでは損得の問題に触れてみたい。

 仕事がお粗末というのは、なるべくインプット(投入)を減少するという経済人の考え方である。これは極めて合理的な思考回路である。ただ結果的にせっかく印刷したものをやり直しとなると、損害を被るのは自分である。しかも、顧客にクレームをつけられ、信頼を失う。要するに減少されたインプットは最終的にアウトプットの維持や増大につながらないだけでなく、まったくの逆効果になっている。最終的に不経済行為だった。

 そうした意味でいうと、一見損得に聡い多くの中国人や企業は決してそうではない。この印刷会社は実は同様な問題を何回も起こしたのである。特に担当者が変わったりすると、またもや持病の蒸し返し。今回も私は200枚ほしいといったところ、事務局が100枚を発注したのは、ミスを懸念していたからだった。業者の無駄を極力減らすという当社事務局の思いやりには脱帽だ。

タグ:

コメント: 損得に疎い中国の業者、異質の思考回路

  1. 吉田さん、全体的にまだ問題の少ない業者ですので、使っています。PDF出稿ですが、なぜか違っていました。調査中です。

    1. そうですね。調査が必要です。

      名刺注文のフローは、

      1)原案を業者に渡す。

      2)業者がPDF案を出す。

      3)客側がPDF案を確認する。

      4)印刷

      という手順です。3)で印刷状態とほぼ同じものが見られますので、フォント間違いなどは起こらないのが普通です。間違いがあるとしたら、カラーの微妙な違いや紙のクオリティなどです。(もちろん、ハイグレードな特殊印刷とかであれば別の話です)。

      PDF出稿(PDF形式とは限りませんが)の確認をきちんとしていなかったスタッフのミスという可能性が高いです。

  2. 名刺の件ですが、二つほど疑問があります。

    1)山とある名刺印刷業者の中で、なぜ失敗を続ける業者を使い続けるのか?

    2)名刺等の印刷物は通常、フォントを絵として認識させて上で、印刷にとりかかります。(フォント型のハンコを使うわけではない)。顧客から注文を受けて、フォントを絵とした段階でPDF等の形に出して、顧客の確認をとった上で、印刷にとりかかります。従って、カラーの微妙な色間違いはともかくフォント間違いが起こるというのは非常に不思議です。これは業者のミスではなく、御社スタッフ側のミスではないでしょうか?
    (一番いいのは、イラストレータやコーレル等でデータを作ってフォントを絵とした状態で業者に渡すことです。そうすれば間違いの起きようがない。イラストレータが使えるスタッフがいるかどうかが問題ですが・・・。)

Comments are closed.