売り上げ放棄という怪異な経営行為、小さな靴屋であり続ける

 9月10日(金)、上海セミナー(労務派遣セミナー)が終了した。30名定員の会場に、50名近くの参加者でまたもやぎゅうぎゅう詰め状態。

 最近、セミナー会場は、花園飯店(オークラガーデンホテル)に切り替えた。このホテルの旧館(旧フランスクラブ)の会場は、天井がとても高く、ぎゅうぎゅう詰めの窮屈感がずいぶん緩和される。

43541_2上海セミナー(9月10日、上海花園飯店)

 「ご多忙のところ申し訳ありません、弊社の案件もそろそろ着手されるのですね」。セミナー会場では、案件契約済みで着手待ちのお客様から念押しされた。

 「こちらこそ、大変お待たせして申し訳ありません。9月中旬に意見書の作成に取り掛かります。すぐに着手します」。この顧客企業は7月の契約だった。

 今日も、新規の人事制度案件依頼を1件断った。会社にとって、数十万元の収入減になるが、品質保証という意味で、そうせざるを得ない。私たち零細コンサルティング企業にとって、のれん以上大切なものはない。

 1~2ヵ月ほど受注を中止すれば、蓄積された受注案件は大分吸収される。いま10件以上の大小案件を同時進行で抱えている私にとって、そこが限界である。

 案件依頼を断っても、売り上げを放棄しても、会社の拡張はしない。この時代にマッチしない怪異な経営行為だが、理念を変えるつもりはまったくない――。小さな靴屋に徹して、百貨店にはならない。靴に関してはどこよりも素晴らしい小さな靴屋だ。一足一足丁寧に仕上げていく・・・